【ファミマネ④】喜んでもらいたいなら、「期待値」を下げろ!?
イクメンを頑張っている友人のI君は、仕事ももちろん忙しいですが、
愛する息子と奥さんのために一生懸命子育てや家事に貢献しています。
保育園の送り迎えはもちろん、掃除・洗濯・料理なんでもこなします。
でも、奥さんには喜んでもらえず、むしろ「もう少し早く帰れないの?」とか
「洗濯してくれるって言ったのに、洗濯ものグチャグチャじゃない!」などと
怒られる毎日だそう。。
そんなに頑張っているのに、喜んでもらえないのは可哀そうだなぁ、と
思いながら、彼が奥さんにどのように尽くしているかを聞いてみると、
「いやぁ、「あと10分で帰る!」って宣言してダッシュしたんだけど、
バス一本乗り損ねちゃったりするんだよねぇ。」
「奥さんに「色々大変そうだから、洗濯は俺に任せてよ!
バッチリきれいにしておくからさ!」と言って始めたものの、
子どもがうるさくてさぁ。子どもをあやしている内に時間が経って、
雑にしかたためなかっただけなんだけど、めっちゃキレられたよ・・」
といった回答が。
「はぁ~、なるほど。」と気づきました。
友人のI君は、奥さんのために非常に頑張っています。
客観的にみたら、「そこまでやっていて、なぜ怒られるの!?」という状況でしょう。
ただ、ひとつの問題は、「奥さんに変に期待させている」ということです。
その結果、奥さんの不満を生み出しているのです。
私は「期待値コントロール」という呼び方をしていますが、
サービスマネジメントという領域では顧客満足を科学しているんです。
「顧客が満足する」とは、どういう状態なのかを理解すると、
対応の仕方が色々あることが分かります。
「期待不確認モデル(expectation-disconfirmation model)」という
ものがあります。(*)
これは、顧客がサービスに対して抱いていた事前きたいと、
実際のサービスのパフォーマンスを比較し、パフォーマンスが事前期待を
下回れば顧客は不満を覚え、大きく上回れば満足する、というものです。
つまり、「顧客満足は『事前期待<パフォーマンス』で達成される」
ということです。
さらに、「パフォーマンス」は、実は客観的なサービス価値ではなく、
あくまで顧客自身が感じた主観的な評価、もっと言えば印象です。
上記のように顧客満足を捉えたなら、パフォーマンスを徹底して
上げるだけでなく、事前期待を少し低めに設定してもらえれば、
結果的に満足につなげられます。
このような「認知作用を使う」ことでも満足は得られるのです。
I君も、「あと10分で帰る」ではなく、「あと20分ぐらいかかりそう」
と伝えた上で、15分で戻ってきたら、「早かったね!」と満足して
もらえますよね(^^)
ただ、あまりに事前期待を下げ過ぎると、そもそも期待されなくなり、
逆に不満が募ってしまう可能性がありますので、適度な塩梅で
期待値をコントロールすることが重要ですね。
他に認知作用を上手く使うやり方として、「相手に選択肢を与える」
と満足度が上がるんだそうです。
たとえば、献血者に「どちらの腕から採血しましょうか?」と
尋ねるだけで、不安をかなり取り除くことができるそうです。
(ただ、あまり選択肢が多いと、逆に相手が煩わしさを感じるので、
選択肢は2つか3つに絞るのが賢明だそうです。)
ちょっとした工夫で相手の事前期待を上手くコントロールして、
満足の笑顔をゲットしましょう(^^)
(*)参考書籍:「サービスを制するものはビジネスを制する」山口英彦執筆
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