【ファミマネ①】”イラッとスイッチ”が入ったときの対処法

「なんでそんなことするの(言うの)?!信じられない!」

と、パートナーの言動にイラッとすることはありませんか?


夫婦で互いに忙しい日々を過ごしていると、ゆっくり互いの話を聞く時間って
意外と短かったりしますよね。子育て奮闘中だったりすると、なおさらです。

そんな中、パートナーから気が利かない発言などあると、イラッとして仕方がありません。


たとえば、こんな話。
ある土曜日の朝、妻から「時間あるときで良いから、ベッド周りの掃除してもらえる?
湿気でカビになると子どもに良くないから」と言われて、快く「良いよ〜」と引き受けた夫。
だが今週は非常に忙しかったので、「午前中はもう少し寝よう。」と10時半まで寝た。
午後にスポーツクラブのボクシングプログラムを予約しているので、晩ご飯前の30分を
使って掃除すれば良いかと思っていたが、スポーツクラブから帰ると子どもが「遊んで!」
と愚図るので、晩ご飯前の掃除はは諦めて日曜日の朝に掃除をすることに決めた。

子どもが寝静まった23時。妻はなぜか激怒している。

「何機嫌悪そうにしてるの?」と聞くと、

「なんで寝室掃除してくれないのよ!子どもが喘息になったらどうするの!?」と
酷い癇癪だ。
夫は『別にやらないなんて言ってないだろ!こっちの都合も考えずに言いたいこと
言いやがって!!』とキレ返そうとしたが、グッと息を飲み込んだ。


伝えている内容は、理由も説明していて明解なはず。
なのに、なぜ相手はそれを理解してくれないのでしょうか?
(あるいは、(夫からみれば)言ってること理解した上で、やろうとしているのに、
なぜ怒っているのでしょうか?)
私の言うことはくだらないことだと、そのような態度を取っているのだろうか・・・?


考え込めば、考え込むほど、イライラは募るばかりです。


でも、そのイライラをもって、そのまま自分の理論を押し通そうとしてはいけません。
私の経験上、そのようにイラッと感情が揺さぶられたときの80%は、自分の考え(論理構成)
と相手の考え(論理構成)の『隠れた前提』がズレています。


MBAで学んだ「クリティカル・シンキング」は、論理を構造化して分かりやすく伝えたり、
問題を解決する思考法の訓練をします。
その思考法の中に演繹的思考・帰納的思考というものがあります。
演繹的思考とは、いわゆる三段論法で「捉えた事象にルールを当てはめると結論が出る」と
いうものです(「人は死ぬ」というルールがあり、「ソクラテスは人だ」という事象が
あるなら、「ソクラテスは死ぬ」と結論づけられます)。


三段論法は理解しやすい概念ですが、落とし穴として「人は往々にして自分が持っている
(自分しか持っていない)隠れた前提を説明しないまま、自分の結論(主張)を述べている」
ということがあります。

従い、自分が論理的に考えられていると思ったとしても、『隠れた前提がある』と疑ってみる
ことが大事です。

経験的には、隠れた前提のタイプは、①捉えている事象そのものが違う ②捉えた事象に
対する受け止め方(ポジティブ or ネガティブ)が違う ③根本的な価値観が違う といった
ものがよくあります。

この『隠れた前提』がクリアになることで、互いの理解はグッと深まり、イラッとした気持も
スッと治まってきます。隠れた前提を探そうというつもりで相手の話を聞くと、より相手の
話に興味が湧いてきたりもします(^^)


先の例で言えば、妻が言う『時間があるとき』というのは、『今日のどこかで』ということが
隠れた前提です。それを夫は『自分の都合が良いとき』と解釈したため、その日中には対応せず、
妻の怒りを買いました。
夫が一言「明日でも平気?」と聞くか、妻が「今日のどこかでできる?」と聞いていれば、
このすれ違いはなかったでしょう。
ただ、全てのコミュニケーションにそこまで気を遣っていては、息が詰まります。
大事なのは、「コミュニケーションにズレが生じて“イラッ”としたときに、どう対応するか」です。


私は”イラッとスイッチ”が入ったら、意識をココロからアタマへと切り替え、

「なぜイラッとするのか?相手の隠れた前提は何か?」を探すようにしています。


皆さんも「イラッ」としたときは、意識をココロからアタマに持っていき、冷静に相手との
ズレを探りに行ってみると良いでしょう。

グロービスMBAの学びをファミリーマネジメントに活かす

グロービス経営大学院の卒業生&講師である平野善隆が、仕事・家族・個人の全ての満足を最大化させるための思考法・行動様式を研究・発信していきます

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